劇場情報

罪だとしたら、ただ生きたかったこと。

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Heading

ヒトラーの非道に終止符が打たれてから、ナチスをテーマとした様々な映像作品が作られてきた。だが、耳を疑う知られざる真実は、まだあった。アウシュヴィッツからの生還者の息子が、父の半生について書き上げた衝撃の実話の映画化が実現した。
主人公のハリー・ハフトには、世界的大ヒット作『ダ・ヴィンチ・コード』シリーズの第3作『インフェルノ』の敵役で、高く評価されたベン・フォスター。共演に『ファントム・スレッド』のヴィッキー・クリープス、『アラジン』『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のビリー・マグヌッセン。
監督は『レインマン』でアカデミー賞🄬監督賞、ベルリン国際映画祭金熊賞に輝いたバリー・レヴィンソン。音楽は『レインマン』『DUNE/デューン 砂の惑星』でアカデミー賞🄬を2度受賞したハンス・ジマー。
ナチスが余興のために催した賭けボクシングでユダヤ人同士が闘い、負けた者はその場で殺されたという事実は、ハリーの抱える過去の入り口にしかすぎなかった。扉の奥に隠されたさらなる慟哭の真実とは? 言葉を失いながらも、その先に待つ無償の愛に救われる究極のドラマ。

ついに打ち明ける時が来た──生き残った本当の理由

アウシュヴィッツからの生還者が明かす衝撃の実話!

Story

1949年、ナチスの収容所から生還したハリーは、アメリカに渡りボクサーとして活躍する一方で、生き別れになった恋人レアを探していた。レアに自分の生存を知らせようと、記者の取材を受けたハリーは、「自分が生き延びた理由は、ナチスが主催する賭けボクシングで、同胞のユダヤ人と闘って勝ち続けたからだ」と告白し、一躍時の人となる。だが、レアは見つからず、彼女の死を確信したハリーは引退する。それから14年、ハリーは別の女性と新たな人生を歩んでいたが、彼女にすら打ち明けられないさらなる秘密に心をかき乱されていた。そんな中、レアが生きているという報せが届く──。

愛する人に会いたい── その美しき願いが彼を野獣にした

Comment

歴史の中には、公には語られない実話が沢山存在していますが、それを映画として人々に届けるという行為自体が、一つの問題提起だと思います。視点も思想も真実も、人の数だけ存在しますが、この物語は、私に平和を考える時間を与えてくれました。/細谷佳正 (声優)
まるで別人が演じていると思ってしまうほどの役作り。『ひとつの作品』で、ここまでの減量と増量をおこなった主演のベン・ フォスターさんに脱帽です。減量といっても、ただボクサーの体型まで痩せるだけでなく『やつれる』まで減量している事に本当に驚きました。私は『増量の辛さ』の経験はありますが、『やつれるまでの減量の辛さ』は計り知れません。彼のその努力があったからこそ、129分という上映時間があっという間に過ぎてしまうほど、のめり込んで観てしまったのだと思います。/澤田賢澄(俳優/元大相撲力士)
衝撃。ただ、ただ衝撃。これが実話の映画化ということに深く衝撃を受けます。『グッドモーニング、ベトナム』のバリー・レヴィンソン監督は、再び「戦争に翻弄される人間達」の傑作映画を撮りました。ラストシーン、僕は泣きました。/鴻上尚史(作家・演出家)
収容所という暴力的で非人間的な世界を、暴力的に非人間的に生きていくしかなかった男が、戦後も、愛のためにその生き方を引きずっていく。そんな物語を冷徹に、しかし愛をこめて撮った作品。/金原瑞人(翻訳家)
暴力が暴力を生む世界では、かならず誰かが犠牲者となり、誰かが加害者となる。本作のように、犠牲者が「加害」の苦しみを背負うこともしばしばだ。この暴力は染みわたり拡散していく。暴力の負のスパイラルを止める知恵が、2023年の今、まさに試されているのだ。/柳原伸洋(ドイツ近現代史研究者/東京女子大学教授)
ナチスは、反ユダヤ主義に凝り固まって、600万人のユダヤ人を虐殺した。強制収容所で多くの命が失われる中で、生き残った人たち。そこには想像を絶する苦難の物語がある。それを二度と繰り返さないために、皆に本作品を観てほしい。/舛添要一(国際政治学者/『ヒトラーの正体』著者)
戦争で一人が生き残るために別の誰かが犠牲を払っていることが多く、それにまつわる罪悪感は一生拭えない。そのトラウマをベン・フォスターのリアルな演技が痛烈に伝えています。/ピーター・バラカン(ブロードキャスター)
極限状態を生き抜く道のりは、「きれいごと」や「美しい物語」ばかりでは語れない。今を生きる私たちの誰が、ハリー・ハフトに後ろ指を指し、断罪できるだろう。ただ、同じ歴史を繰り返さないための未来を考えることは、私たちにもできる。この映画から、きっと。/安田菜津紀(メディアNPO Dialogue for People副代表/フォトジャーナリスト)
戦争映画とスポーツ映画の融合なんて生やさしいものじゃない。ユダヤ人収容者同士のデスマッチボクシングという絶望的に邪悪な見世物の追体験を通じて我々の加害性を自覚させる鋭利な映画だ。生還した彼につきまとう苦悩も、ナチス将校や家族との鬼気迫る議論でときほぐす。暴力と言葉。 映画に必要なのはこれだけだ。/大島育宙(芸人/映画・ドラマ考察者)
僕はバリー・レヴィンソン監督の映画が大好きです。49勝無敗のロッキー・マルシアノに挑んだ、ハリー・ハフトを映画の主人公に選ぶところが流石レヴィンソン監督だ。ユダヤの野獣、同胞殺しと罵しられたボクサーの壮絶な生き様を眼を背けず観てほしい。殴りたくもない相手を殴らなくてはいけないボクシングという非常なスポーツはアウシュビッツのリングの上ではもはやスポーツとは呼べない。老将バリー・レヴィンソン監督渾身の一作に胸が熱くなった。/武正晴 (映画監督)